補聴器の性能は良くても・・・
幼いころ、ことばが大変、遅れていました。
両親によるとその原因は脳性麻痺のためだと、どの専門家も説明されたそうです。
しかし、ある日、言語療法士とのことばの訓練で、
私のなにげない仕草から療法士が難聴の可能性に気づかれました。
それは8歳のときでした。
言語療法士の紹介である病院の耳鼻科医師を紹介してくれました。
病院の診察で、ようやく難聴の確定診断がでました。
それ以来、補聴器をはめて生活するようになりました。また、療育方針もがらりと変わ
り、両親はいつも私の前に向いて意識的に話かけるようになりました。
当時、使いはじめた補聴器は箱型でした。難点があり、コード線が切れることが多く、
運動や遊ぶときは外していました。
今では難聴児のことばの訓練は両耳装着で行うのが一般的ですが、そのころはまだ、定
着していおらず、私の場合、右側だけ装着していました。中学校入学前には耳かけ型の
補聴器を使いはじめ、30歳になって、両耳で耳穴式のものを使いはじめました。
私の補聴器の装着の歴史は、補聴器の歴史のようなものです。
難聴が進み、耳穴式では限界が生じ、ハウジングが起こるので、耳かけ型に変えまし
た。
上記の写真の左側の補聴器がそれで、本来、イヤーモールドが耳に差し込むような非常
に小さいものでした。
しかし、これでは手指の細かい動作が難しい肢体不自由者にとって自分で装着できない
のは生活の質がおちます。
そこで補聴器店の業者方方にイヤーモールドを大きめにして取り外しができるように
また、細いつまみをつけてもらうように要望しました。(写真では見えませんが。)
業者の方もの快く応えていただき、こちらの希望どおり、イヤーモールドを製作してい
ただきました。十分、ワイヤーレスで携帯スマホの音が拾えます。性能は良く、本当に
便利になりました。
補聴器自体の性能だけではなく、上肢、手指に障害にある肢体不自由者の操作性のマッ
チングが大切です。補聴器に関わらず、福祉用具はユーザー(使用者)の個別性が重
要になってきます。